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がんばれ!日本在住ベトナム人
ベトナムに夢をかけた日本人たち
ダイスケのカイ・ジー? - DAISUKE no Cai gi ?
日本のベト飯や
Vietnamese Entertainment

ベトナムに夢をかけた日本人たち

第 2 回 : 江田要さん

-ロコファクトリーはベトナムで頑張っている日本人を応援します-


今回このコーナーにお招きした江田氏との出会いは、私が初めてベトナムに住んだ頃にさかのぼります。ベトナムに住む日本人の中にはベトナム人の一般家庭に下宿する方も多くいますが、この「Room For Rent」と書かれた一般宅での下宿生活では数多くのドラマとエピソードが生まれます。当時の私もそんな下宿生活をする日本人の一人でした。ベトナムでは数少ない日本人が営む「Room For Rent」の代表だった江田氏は、今回も「まいど!」という口癖と一緒に私を快く出迎えてくれました。

01.jpgのサムネール画像 名前  :江田 要さん
年齢  :52歳(2011年現在)
出身地  :山口県
職業 :江田不動産エージェント 代表
初めてのベトナム:1993年
ベトナム在住年数:17年(2011年現在)
ベトナム在住地 :ホーチミン市



「ベトナムで成功する為には良いパートナーが不可欠!」


松:江田さん、ご無沙汰しています。かれこれ1年ぶりくらいですかね?
今日は私どもで開設したwebサイトLOCO★VIETNAMの「ベトナムに夢をかけた日
本人たち」という企画のインタビューでお伺いしました。

江:「まいど!」
  元気にしていたの? ロケコーディネートで活躍し始めたと思ったら、今度は面白そうなwebサイトを立ち上げたんだね。

松:はい。ベトナムと日本の架け橋となりたくて、小さなことから始めてみました(笑)このコーナーはベトナムを目指す日本人の方々に、ベトナムでご活躍されている日本人や現地生活をしている日本人の「生の声」を伝えたいと思っています。

江:それはいい事だね。日本からベトナムにやって来る日本人にとって、実際の現地生活と予想していた生活とは全く違うようだから、読者さんにはためになるんじゃないかな(笑)

松:そうなる事を信じて頑張っています!(笑)
早速ですが、江田さんのお仕事について少々お話し願えますか?

江:本業は不動産屋業です。松崎さんも知っているとおり、主に日本人向けの賃貸物件の仲介をしています。

松:日本人の方が管理されている賃貸物件は本当に貴重ですよね。私が江田さんが管理されていた物件をお借りした時に話したと思いますが、その前に私はベトナム人家族の家に下宿していて、それはそれはとても大変でした。勿論、重宝なこともたくさんありましたよ。例えば部屋の掃除、洗濯、シーツの換えなどは毎日してくれますし…。
ただ、23時頃の門限過ぎると入り口の鉄格子がしまっちゃって、家の中に入れなかったりするのはビックリでした(笑)。それにベトナム語しか通じなかったので、日々に困ってしまう場面もありました。

江:こちらは大きな犯罪はあまりないけど、小さな犯罪はたくさんあるので、ほとんどの家の前には鉄格子やシャッターが付いているのが当たり前なんだよ。日本人が管理している賃貸物件の良いところは、困ったことがあっても言葉や文化が同じだから迅速に対応できるし、住んでいる人も安心だと思います。でもね、ベトナムでの賃貸物件の斡旋や管理はとても難しいですよ。

松:どんな点ですか?

江:賃貸物件の持ち主がベトナム人なので、いろいろなトラブルが多く付きまといます(苦笑)。

松:なるほど。私もベトナムで美容室を営んでいた経験あるので、よく分かります(笑)

江:まっ、どんな仕事でもトラブルは付き物だし、ベトナムでのトラブルはこちらに住んでみないと実感がわかないような想像を絶する事が多いので、お話しはまた別の機会にしましょう。

松:「それはベトナムに住んでからのお楽しみ」ということですね?(笑)
ところで、江田さんは別の仕事もされていますよね?

02.jpg
(注:写真は小売店を営んでいた頃の店内)

江:はい、スーパー専門の卸し惣菜屋を始めました。

松:不動産屋さんと惣菜屋さんという二足のわらじは、あまり日本では想像がつかないですね。

江:私にもしもの事があった時に、家内にでもできる家業を残したいと思いまして、惣菜屋を作りました。

松:江田さんの奥さんはベトナム人ですから、この地で営める商売ということですね?
素晴しく奥さん想い!


松:そんな江田さんがベトナムに来ようと思ったきっかけって何ですか?

江:当時、私は山口県の米軍基地で働いていたんですが、将来的に自活ができる方法を常に考えていました。未だ他の人が営んでないような仕事を考えるのが得意な私は、需要がある場所に、その必要とされる物事を提供することで対価を得ようと考えました。そして私は視点を海外に向けたのです。しかし、既に欧米には日本企業が多く進出してましたので、いろいろ考えたあげく東南アジアに市場を求め、香港を起点にマーケッティングリサーチを開始、そして東南アジア数カ国を経てベトナムにたどりつきました。直ぐにビジネスチャンスをこの国に感じた私は準備を整え、翌年1994年に起業の為に再度ベトナムにやって来たという訳です。

松:当時のベトナムには、どのくらいの日本人が住んでいましたか?

江:初めて訪れたのは1993年のことでしたが、当時のベトナムには日本人が100人程度しか住んでいなかったと思います。

松:初めて訪れる前のベトナムのイメージは?

江:どこの国が自分の商売に適しているかを調べる旅でしたが、ベトナムは来る前から意識はしていました。ただ、これと言って特別なイメージは持ったなかったです。当時、同郷のミュージシャンが見せてくれた映画や、日本のバラエティー番組でベトナムを見たことがあったので、なんとなくのイメージはありました。なかでもNews Week のコーナーで読んだイギリス青年の記事が印象的だったかな…。

松:どんな記事だったんですか?

江:その記事には、イギリス青年が3日間に渡りハノイとホーチミンを結んでいる統一鉄道で旅した事について書いてあったのですが、彼のコメントの中に「イギリスで今から20年間ティーパーティーの話題に事欠かないくらいの3日間だった」と書いてありました。多分、彼の母国であるイギリスでは体感できないような出来事が、ベトナムにはたくさんあったんでしょうね。

松:日本のバラエティー番組では、どんな内容を放送していたのですか?

江:あれは1990年頃のバラエティー番組だったかな。
日本のカリスマバイヤーがベトナムで売れ行きが伸び悩んでいる自転車を売る企画でしたが、結果的に3日間で全部売ってしまったんですよ。とても面白かったのは、キャンペーンギャルにハイレグを着せようとしたんですが、「それはできない!」ということになり、タンクトップと短パンみたいなコスチュームでキャンペーンしたんです(笑)

松:えっ!? 1993年にベトナムでハイレグですか? それは無茶でしょ!
そんな事したら公安に逮捕されちゃいますよね(笑)

江:今でもビキニの水着に抵抗がある女の子が多いですから、当時では考えられない状況かもしれませんね。現実に取り締まられる可能性はあったと思いますよ(笑)

松:ベトナム人と日本人の違いって感じますか?

江:欧米などの諸外国と比べると、ベトナム人と日本人は同じアジア人ですから似ているところもあります。現にお箸を使ってお米を食べるし、手先が器用だったり、女性の長い黒髪の歴史だったり…。ただ、日本人をベースに考えると、だいぶ違いますね。日本人は他人とでも信頼関係を作ることが容易にできると思うのですが、ベトナム人は家族以外の人をあまり信用しないようにみえます。ですから、会社やお店なども家族や親類・縁者で営むことが少なくないようです。多分、それが一番いい形なのでしょう。日本人がベトナムに来て、日本と同じような物差しで物事を考えれば、必ず失敗するでしょうね。

松:そんな江田さんご自身もベトナム人のご家族やスタッフの方と一緒に日々過ごされてますが、どんなご苦労やその解決方法をお持ちなんですか?

03.jpg 江:いやぁ~、その質問は難しいな(笑)毎日手探り状態で十数年間日々の対処に追われ ているけど、今のところ解決策はみつからないですね。実際にあった話しですが、仕事が忙し くなったりすると辞めてしまったり、少々のスキルアップで昇給の交渉をしてきたり、昇給が なければ辞めてしまったりします。会社がスキルアップをさせても、ほんのわずかな期間でそのような事がありますので、どの程度の仕事を任せていいのか全く読めないこともあります。そんな状況ですから、その都度その都度起こる問題に向き合っていくのが一番の得策かもしれません。

松:17年間ベトナムに住んでいる江田さんが感じるベトナムの将来は?

江:すごく可能性がある国だと思います。ただ、中国しだいかもしれませんね。日本とアリカの関係と同じように、多くの面でベトナムと中国はリンクしていますから。

松:公私共にベトナム生活で印象に残っていることは何ですか?

江:日本では会えないような人に会ってきたことかな。

松:例えばどんな人ですか?

江:キャッシュ100億円持っている人や山林王と呼ばれたような人が、人伝いに私に頼って来た時に、一緒に酒飲んだりしながら面白い話を聞かせてもらったりしましたよ。

松:これからベトナムを目指す日系企業や日本人へのアドバイスをお願いします。

江:やはり、いいパートナーにめぐり会うことにつきます。仕事であれば会社設立に必要な名義人やマネージャー、秘書などですね。日本とは法律も文化も習慣も違うわけですから、私たちわからない事や理解できないことを補ってくれるベトナム人パートナーが必ず必要となります。私が思うに、男性よりも女性の方が即戦力になりますし、大きなコネクションが成功の鍵だったりしますね。

松:それ、よ~くわかります!(笑)
ちなみに、例えばどんな人ですか?

江:どこの国でも同じなんでしょうが、政府関係者の親族などをパートナーにすると事業をスムーズに営めるみたいですよ。

松:少々、江田さんのベトナム生活についてお聞きしたいのですが、ベトナムでの余暇をどうやって楽しく過ごされてますか?

江:そうですね~。実はこちらに住んでいる日本人の方々が、皆 困っていることなんです(笑)。本屋やレンタルビデオ屋も無いし、テレビを見ても日本の番組はNHKの録画放送だけですし…。まぁ、私はインターネットで情報収集したり、週に1度、気の合う仲間と居酒屋に行く程度ですね(笑)。駐在員のみなさんは、夜飲みに行くか、ゴルフみたいですが。

松:ベトナムでの食事はどうですか?

江:ベトナムの料理は日本人に合うと思いますよ。中華料理のように味が濃くなく意外とあっさりした料理が多いです。特に、北部の方が営んでいる路上の皿飯し(お皿の上にご飯とおかずが載っている)なんかとても美味いですね。

松:ベトナム生活で一番困った事は何ですか?

江:「情報浦島太郎」ですかね(笑)。

松:なんですか、それ?

江:さっきも話したように、日本の情報がなかなか入って来ないんですよ。本屋に行っても日本の本なんて無いんですから。今でこそインターネットがあるからいいのですが、ちょっと前までは本当に情報を得る手段が無かったで、日本のトレンドというものに疎くなってしまいます。

松:ベトナム生活で一番良かった事は?

江:やはり、日本でできないような生活ができたことかな。日本にいれば会社のひとつの歯車になってしまうような人生でも、ベトナムでは事業を営むことができました。
例えば会社員の方でも、日本の会社に籍を置いている時より、ベトナムに駐在することで階級が特進したりしていますよ。一言で言えば、遣り甲斐がある国だと思います。

松:ベトナムでの生涯の夢を聞かせてください。

江:つきなみですが、息子を大学まで行かせて、その後はダラット(ベトナム中部都市)で女房と二人でおでん屋でもやりたいと思ってます(笑)

松:江田さんにとって、ベトナムと関われた事はご自身にとってプラスになりましたか?

江:プラスだったでしょうね。
自分らしい生き方ができたから。


アジア各国をマーケッティングした結果に選んだ国、ベトナム。そして生涯をかける決意をした街、ホーチミン・シティー。「この街は日本で一生かけてもめぐり合えないようなチャンスを手に入れられる可能性がある」と語る江田氏。私たちが忘れかけている明るい未来をこの言葉の中に感じるのは、当てもコネもなくゼロからスタートしたこの街で、彼自身が幸せな将来を描く日々を送れているからだろう。

(interviwe & write & photo : Matsuzaki)

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