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がんばれ!日本在住ベトナム人
ベトナムに夢をかけた日本人たち
ダイスケのカイ・ジー? - DAISUKE no Cai gi ?
日本のベト飯や
Vietnamese Entertainment

ベトナムに夢をかけた日本人たち

第 5 回 : 岩田壮司さん


- ロコファクトリーはベトナムで頑張っている日本人を応援します -

今回このコーナーにお招きした岩田さんと初めてご挨拶を交わしたのは、現職であるロケコーディネートの基盤を作る為にホーチミン市で美容室を営んでいた頃でした。私が美容室を営もうと思ったきっかけは、初めてベトナムに赴任した際、髪の毛を切るだけのことに非常に苦労したからです。そうなんです! 当時は言葉が通じる理髪店がほとんどなかったのです。 みなさんも国内外でご経験があると思いますが、自分の希望を美容師さんに伝えるのはひと苦労ですよね。 言葉が通じないとなればなお更です。 どんなに日本人の美容師さんがこの街にいればいいのになと思ったことか…。 岩田さんはこの街に新しいスタイルの美容室を持ち込んだ日本人の一人です。
 

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氏 名 :  岩田 壮司 (いわた そうし) さん

年 齢  :  34歳 (2013年現在)
出身地:  大阪府
職 業 :  ヘアスタイリスト / Vamp Hapr Line 経営

初めてのベトナム :2008年
ベトナム在住年数 : 4年 (2013年現在)
ベトナム在住地   : ホーチミン市

 

「 若い世代に日本式の美容を広める礎になるために 」
 

松: 初めてお伺いした時に、まさに日本の美容室だなと思ったんですが…。

岩: どういったところがですか?

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松: 店内の雰囲気は勿論ですが、ホーチミン
      市の
1区 という立地条件や 9階 という 
      高層階にお店を構えられたところです。
      かなり意識はされましたか?

岩: 事前にこの街を視察した際、山の手線の
      内側のように建物や人が かなり密集し
      て
いるなと思いました。
      そして、そういった ガヤガヤ した
街の中に 「リラクゼーション」 を提案できないかと考え
      たんです。 その為には 「良い立地」 と
 「静かな場所」という2点にこだわりました。

    最終的にこの場所に決めたのですが、ここを探すのには苦労しましたよ。(笑)

松: ホーチミン市にある他の日系美容室と比べても、その点は一番こだわりを持たれている
      ように感じます。

岩: 表通りにお店を構えるか、裏通りにお店を構えるかは、オーナーさんの考えしだいなので
      すが、この場所にしたのは足を運んでいただくお客様のことを考えた結果です。

松: 東南アジアも広いですが、なぜ ベトナムを選んだんでしょうか?

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岩: ベトナムと接するようになったきっかけは
      家内の両親が仕事で日本とベトナムを
      き
していたことなんです。 その関係で
  
私もベトナムを訪れることになったのです
     
が、その頃はベトナムで美容室をやること
      な
て全然考えていませんでした。      
     日本人が
美容を求める海外は欧米が定番
     ですからね。
ただ、その反面に欧米には
日本人美容師があふれて
いるという現実もあります。

松: なるほど。 そこで視点をベトナムに変えたというわけですね。

岩: 当時この街には日系美容室が5店舗くらいしかありませんでしたので、欧米よりもビジネ
      スチャン
スがあると思いました。

松: 若者の人口が多い国ですから、これからマーケットも広がるでしょうね。

岩: 将来的には日本のモードを広めていけるような気がしますし、その時のための礎を
      今は積み上げていきたいと思っています。

松: ベトナムに来る前の ベトナム のイメージは?

岩: まったくイメージがありませんでした。(笑)
     強いて言うなら 「ハロン湾」 と 「三角の帽子をかぶった行商」 でしょうか。
     道路が舗装されているとも思っていませんでしたから。
     とにかく、「ベトナムに何があるの?」 って感じでしたよ。(笑)

松: 僕も初めて来る前は、ベトナムが世界地図のどこにあるのかわかりませんでした。(笑)

岩: 最近でこそ旅行番組などで紹介されるようになりましたが、当時はベトナムのことを意識
      することはあまりなかったですね

松: 実際にベトナムに来てみて思い描いていたイメージはどう変わりましたか?

岩: 「すごく、いいじゃない」 って感じです。(笑)

松: ベトナム人スタッフと一緒に仕事をする上で、何かご苦労がありますか?

岩: 当店のベトナム人スタッフは日本での研修経験があり日本の カルチャー を リスペクト
      してくれています。 それに勤勉ですから苦労は感じていません。

松: では、岩田さんご自身はベトナムでのお仕事をどう感じていますか?

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岩: 一番苦労しているのは、お客様がご覧に
      なる 「雑誌」 やヘアサロンに必要な
      「商材 (パ
ーマ液やカラー剤、ワックスな
      ど)」 を 日本から仕入れることですね。
      雑誌などは友達に
持って来てもらうことも
      よく
ありますし、時にはバンコクまで買
      いに行くこともあります。 雑誌のため
      に日本に帰る訳にもいかないですか
      ら。(笑)

松: 私も経験ありますよ~。(笑)

岩: ベトナムではなかなか日本の雑誌を読むことができないですから、できるだけ新しい本を
      用意できるように努力しています。

松: 美容室には雑誌って必要ですよね。

岩: ヘア雑誌があると髪型のイメージを伝えやすいですし、流行のファッションや髪形などを
      トータルでご提案させていただく為にファッション誌なども置くように心がけています。

松: ベトナムの将来をどう感じていますか?

岩: 建設ラッシュで大きなビルなども建ち、物価成長率も伸びてきているので経済が成長し
      ているように見えるのですが、国民のごく一部しか潤っていないように感じます。それは
      格差から生まれる問題だと思いますが、急成長をしているだけに国が何かの対策を設け
      ないと大きなミスマッチがおきるのではないかと心配しています。

松: 収入が物価の上昇に追いついてないということなんでしょうね。
      最近では身の丈に合ってない生活をし始めてしまっているベトナム人をよく見かけるよう
      になりました。

岩: そうかもしれませんね。

松: これからベトナムに進出する日本人や企業にアドバイスをください。

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岩: 私がアドバイスするなんておこがましいですが、私が
      お店を立ち上げて肌で感じたことをお話ししますね。
      個人でも企業でも言えることですが、事前に地域に
      根付いてしっかりとしたリサーチをするべきだと思い
      ます。 日本とベトナムを行き来しながら事前リサーチを
      されている方々もいらっしゃいますが、それでは本質が
      見えてきません。更に一番大切なのはパートナーシップ
      を組むベトナム人ですね。ベトナムでは日本人とベトナ
      ム人の合弁会社やお店が多いのですが、日本人の
      投資がかさんだ後に、いざこざが元で会社をパートナー
      にもっていかれてしまうケースをよく聞きます。 信頼
      関係を築いた後でも裏切られることが多いようですか
      ら、リスクは覚悟の上で進出する方がいいかもしれません。

松: 日本の常識は通用しないという訳ですね。

岩: ベトナムにはベトナムのルールがありますから、我々日本人は 「ベトナムにお邪魔させて
      いただい
ている」 という気持ちを常に持ち続けることです。 ただ、当店のサービスについ
      ては日本式のクオリティを変えることはありませんが。

松: 話しは少々くだけますが、ベトナムに住んでみて一番印象的な出来事はなんですか?

岩: クリスマス や テト (ベトナムの正月・旧正月)などに起こる交通渋滞ですね。
      「どこから こんな数のバイクと人が出てきたんだ!」 って感じです。
     日本じゃありえないですね。(笑)

松: お休みはどんな娯楽で楽しんでいますか?

岩: 家族で プールや動物園 に行ったり、ショッピング などをしています。
      あと、習い事である  「柔術」 の稽古に行くこともあります。

松: ベトナムの食事面はいかがですか?

岩: 衛生面を気にされる日本人観光客も多いですが、食べ物には苦労しないと思いますね。
      ベトナム料
理は美味しいですし、いろいろな国のレストランもあります。日本料理店のクオ
      リティも年々上がってきていますから、日本人が必要とされる外食はほとんど食すること
   ができると思います。私の場合は1週間の夕飯の半分は日本食、もう半分はイタリアンな
      どが多いです。そして昼飯はベトナム料理です。

松: 路上に出る屋台などで食事はしますか?(笑)

岩: 最初は、「あのプラスティックのイスに座って食べるのはどうなの?」 と思いましたが、
      最近では普通に食べています。(笑)

松: なかなか美味しいですし、あまりお腹壊さないですよね。

岩: そうなんですよ。(笑)

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松: ベトナムでの将来の夢を教えてください。

岩: 今は日本人のお客様に多くご来店してい
      ただいていますが、将来的にはベトナム
      人の
お客様を対象としたお店を作っていけ
      ればと考えています。 その為にはベトナ
    ム人スタ
ッフの育成にも力を入れていか
      なくはならないのですが。

松: 最後の質問になりますが、ベトナムに関われたことは岩田さんの人生にとって良かった
   ことです
か?

岩: 勿論、良かったです!
   アジアを知れたこと、ベトナムを知れたこと、窮屈な日本を飛び出せたこと 全てです。


ご家族の都合で訪れていたベトナムに新天地を求めた岩田氏だが、当初はベトナムに進出することなど夢にも思っていなかったようだ。 インタビューでは順風満帆のように話しを展開しているが、それ相当の準備や努力があったからこその結果であることに間違いはない。 しかし、東京で活躍していた彼をそこまで駆り立てたベトナムに、どんな魅力があるのだろうかと思う読者も多いだろう。 そしてその桧舞台であった東京を 「窮屈」 と言い、そこを飛び出せたことを自身が祝福しているように聞こえるのは小生だけだろうか。
 

(interview & write & photo:Matsuzaki)

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