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がんばれ!日本在住ベトナム人
ベトナムに夢をかけた日本人たち
ダイスケのカイ・ジー? - DAISUKE no Cai gi ?
日本のベト飯や
Vietnamese Entertainment

ベトナムに夢をかけた日本人たち

第 4 回 : 陶山美喜さん


-ロコファクトリーはベトナムで頑張っている日本人を応援します-

今 回このコーナーにお招きした陶山さんとの出会いは、現在のロケコーディネートの基盤を作る為にホーチミン市で美容室を営んでいた頃でした。仕事柄、イベン ト事を企画立案するのが好きな私は日本からヘアスタイリストをベトナムに招いては、期間限定のサービスを駐在している日本人の方々にご提供させていただき ました。陶山さんはそのイベントチラシをご覧になられ、お店に足を運んでくださったお客様のお一人です。その後、日本から来たスタイリストの労を癒す為 に、陶山さんのエステにお邪魔するようになったのですが、私にとって毎日がベトナムとの格闘だったあの頃、そこはこの街で安堵できる数少ない場所であった 事に間違いありません。

(注:この取材記事は2011年12月現在の内容です)

 

  
      氏名  :  陶山 美喜 (すやま みき) さん
      年齢  :  37歳 (2012年現在)
      出身地:  神奈川県
      職業  :  Dep Mai (デップ・マイ) 運営・管理
  
      初めてのベトナム : 2000年
      ベトナム在住年数 : 11年 (2012年現在)
      ベトナム在住地   :  ホーチミン市


 

「ビジネスを成功に導く秘訣はベトナムを楽しむ事!」
 

松: 今日は LOCO★VIETNAM の 「ベトナムに夢をかけた日本人たち」 という
      コーナーのインタビューでお伺いしました。

陶: あら? 今日はテレビ番組のコーディネートではないんですね?(笑)

松: 陶山さんとは3ヶ月ぶりくらいですかね。

陶: そうですね~。
      確か前回お会いしたのは、松崎さんのコーディネートした
      「元祖!大食い王決定戦!」が当店で収録をした時でしたね。

松: ところで陶山さん!
      突然ですがおいくつになられたんですか?

陶: いきなりですか?(笑)

松: 不味いですか?(笑)

陶: いえいえ、いいですよ。
      今年、37歳になりました。

松: お若~い!
      当時とぜんぜん変わってないじゃないですか。
     そりゃあ 年齢も簡単に公開できるわけですよ!

陶: ありがとうございます(笑)

松: 私が初めてお会いした2008年頃は3区にお店がありましたよね?

陶: そうでしたね。

松: 今は1区の日本人街と言われている地域にお店をかまえられてますが、
      お店の内容は変わられましたか?

陶: 基本的な部分は同じですが、
      改めてご案内させていただきますね。
      当店「Dep Mai」はエステ全般の業務を
       していますが、男性も受けられるような
      フットマッサージございます。
      また、女性が気になる「スリミング」などの
      フェイシャルケアもおこなっており、
      中でも「IPL」という機器を使って施術する光治療が一番の人気で、
       「シワ」・「シミ」・「永久脱毛」などのトリートメントをおこないます。
      その他、爪甲振(そうこうふ)ジェルを使用した爪に優しいネイルケアや、
      ご自分のまつ毛に擬似まつ毛を1本ずつ付けていく 「まつ毛エクステンションン」
      などもしております。

松: 初めてベトナムに来るきっかけは?

陶: 当時、ベトナムでリラクゼーション・スパをオープンしたいという日系のスパが
       ありまして、そちらとのご縁で現地のプロデュースをお任せいただきました。
       ベトナムには旅行も含め全く縁がなかったのですが、それがベトナムに
       初めてくるきっかけです。

松: では、来たばかりの頃は大変だったでしょう?

陶: はい、それはそれはとても大変でした (笑)

松: ベトナムに来る前のベトナムのイメージは?

陶: ベトナム戦争のイメージしかなかったです。
      例えば、街中に地雷がしかけてあるとか、椰子の木が鬱蒼と生えているとか、
      牛を引いている三角帽子のおばさんが、そこら中に居ると思ってました (笑)

松: 実際にベトナムに来てみて、そのイメージ通りでしたか?

陶: 私がホーチミン市に来た時は既にかなり大きな建物もあり、
      「ワッ!すごく発展している」というように全く逆の印象を持ちました (笑)

松: 陶山さんは約11年もベトナムでお仕事をされているわけですが、
      どんな事でご苦労されましたか?

陶: あ~ッ。 (大きく息を吸いながら)
      そうですね…

     「お客様に喜んでいただける事は
       何なのか」 という点です。
       例えば10人のお客様がいらっしゃると
       して、その10人全てのお客様に喜んで
       いただくサービスをご提供するのは、とても難しいことなんだと気付きました。
       私は19歳からエステに関わる仕事をさせていただいているのですが、
       それはベトナム来て初めてわかった事です。

松: お客さま商売の宿命ですね (笑)

陶: 日本と海外ではお客様との接し方に相違があるような気がします。

松: おっ!  深そうなお話ですね。

陶: 日本でのお客様は、そのお店が嫌だったら何も言わずに、もう来ませんよね?
      だからお店側は「常に一番良いものを提供すればいい」という考えになりがち
      です。

松: ベトナムでは違うんですか?

陶: (良いサービス) + (ベトナムならではの接客) です。
      私が一番苦労した点ですが、すごく勉強になりました。

松: ベトナム人スタッフと一緒に仕事をした感想は?

陶: 長く一緒に仕事をしているスタッフばかりなので、私のことをよく理解して
       くれています。
       ベトナムの女の子ってお母さんみたいにしっかりしていて、私がスタッフに
       支えられている感じです。
       私はスタッフに恵まれたと思いますよ。
       でも、最初に来た頃は仕事のスピードが違うんで大変でした。

       「なんでだろう?」

       「なんでこんな事ができないんだろう?」

       当時はどうしても「ベトナム人は何で…?」 というような差別的な目で
       見てしまう事もあったんです。
       でも、「これじゃあいけない」と、常に思う毎日でした。

松: 私もそうだったんですが、日本人経営者は最初はそういう錯覚をする
      みたいですね。

陶: はい。
       ただ、よく思い起こしてみると日本人の学生アルバイトたちも同じような
       もんなんですけどね(笑)
       逆にこちらの子達の方が失敗した時に心から謝れる気持ちを持っている
       ようです。
       言い訳が多いのも確かですが、自分がどうして失敗したかを一生懸命伝え
       ようとする気持ちは伝わります。
       よく見られたいという気持ちの表れなんでしょうね。

松: 陶山さんは、その辺もふまえた上でスタッフとうまく接しているんでしょうね。

陶: 私はあまり考えてないですね (笑)
      ダメな事をした時には怒ります。
       スタッフの方が悪いと感じた時は私に謝ってきますし、逆に悪くないと思って
       いる時には私に意見をしてきます。

松: 日本とベトナムの常識が違うので、まずは日本人の考え方を伝えなくては
       なりませんね?


陶: 私はベトナム語が理解できるので、
    日本の考え方などの意見交換をよくし

       ます。 
       仕事をする上でお互いを理解するのは
       重要なことだと思います。
       ベトナムに来たばかりの日本人経営者
       は見落としがちですが、
       ベトナム人スタッ  フがいなければベトナムでの仕事は成    立しません。
       私たちはただの外国人でしかありませんから (笑)

松: 確かにそうなんですが、多くの日本人経営者は見失いがちな部分ですよね。

陶: ベトナムに駐在で来ている諸外国の方々とお話しをしても、
      人種の違いではなく「心」が大切なんだとおっしゃいます。

松: コミュケーション無くしては良好な人間関係は築けないという事ですね。
      改めて肝に銘じておかなくては。

松: ベトナム人スタッフに一番伝授したい事はなんですか?

陶: 帰国してよく思うのは、日本人の接客って素晴らしいという事です。
     お店などでは30秒もしないうちに 「お待たせしました」 と対応して
      もらったり、お客様が何を望んでいるのかを常に考えている
      店員さんがいたり…。
      気を使おうとする努力が見られる接客って、どの世界の人が見ても
      素晴らしいと感じると思うんです。
      これからはベトナム人がベトナム人のお客様を接客する上で、
      この様なサービスが必要になる時代が訪れると思います。

松: ベトナムの将来性をどう感じますか?

陶: 私はすごく将来性がある国だと思います。
      ここの国なら私でも何かができるのではないかと思えますし…。
      確かに最初から上手くはいきませんでしたが、
      Dep Maiも今年で10周年ですからね (笑)
      スタッフを見ていてわかるのですが、この国はすごい勢いで
      変わっています。

松: どんなところからそう感じますか?

陶: 20代前半、20代後半、30代前半と、年代層ごとにかなり考え方が
     違ってきています。
     それは短い期間に彼女達をとりまく環境が変わってきているから
     なんです。

   お店にはベトナム人のOLさん達もおみえになりますが、
   彼女達は今、 衣食住の他にお金をかけられる生活が
   得られるようになりました。  
   私は女性の生活観が変りつつあるベトナムにとても魅力を感じています。

松: これからベトナムを目指す日本の会社や個人の方へ、
      陶山さん流のアドバイスをください。

陶: 日本とベトナムではいろんな事が全く違うので、日本で成功されている方も
      「なんでだろう?」 という矛盾をたくさん感じると思いますが、
      それに負けずどんどん攻める姿勢を楽しむことだと思います。
      難しい考え方かもしれませんが、お金儲け以外の楽しみ方を見つけられれば
      素敵なビジネスがベトナムで得られると思います。
      私たち外国人がどう考えてもベトナムの制度を変えることは
      できませんから (笑) 
      近い将来、それらの制度も変わると言われていますが、想定外の事が
      たくさんある国なのでどうなるかは分かりません (笑)

松: 日本人の常識と全く違う事がよくありますよね (笑)

陶: 今思えば小さな事なのですが、タクシーのお釣りをもらえない事があります。
      最初はすごく腹立たしかったんですけど、よく考えてみれば何円の事なん
      ですけどね。
      そんな些細な事に腹を立てるより、毎日タクシーに乗れる方が幸せだと
      気付きました。
      日本ではタクシーなんて滅多に乗れないですからね~(笑)

松: 私は逆に、細かいお金が足りない時に「小さなお金が無い!」と言って、
      きっちり払わなければならない事を免れることもありますよ。(笑)
      あと、スーパーマーケットで細かいお釣りが無い時など、
      飴玉をお釣り代わりにくれたりしますから大爆笑ですよ。

陶: 要は視点や考え方を変えると、腹立たしい事も逆に楽しめるようになりますよね。

松: 11年間で一番印象に残っている出来事は何ですか?

陶: 昔、ひとりの男性を血まみれになって取り合っていたスタッフ達が
      居ましたね (笑)
      エピソードというより、そんな昔話しができるほど長くベトナムに居られた事が
      一番嬉しい事です。

松: ちなみに男性を取り合ったのは陶山さんではないですよね?(笑)

陶: はい、残念ながら
       私ではありません (爆笑)
       昔は50人くらいの従業員を雇って
       いましたから、まるで学校のような
       でしたよ (笑)
       もっと面白い話しがあるんです。
       昔のお店では まかない食 を支給して
       いたんですが、やはりお肉が人気なんですね。
       スタッフ達は時間をずらして昼食を食べるので、後から食べるスタッフの
       おかずを残しておく為に「お肉は2枚まで!」と決めたんです。
       その事でスタッフと食事を用意してくれるお手伝いさんが
       大喧嘩になりまして(笑)
       お手伝いさんが職場を辞める寸前までの事態に発展したんですよ。
       その時、全員が泣きながら3時間も「お肉ミーティング」をした事を覚えて
       います (笑)

松: ある意味、ベトナムの人は何事に対しても情熱的ですよね。

陶: 他にも印象に残っている出来事は、やはりお店やスタッフに関わる事が
      多いです。

松: これからベトナムを目指す日本人が知りたい事のひとつですが、
      陶山さん流の余暇の過ごし方を教えてください。

陶: ワインの勉強を始めたり、ドラムを始めました。

松: ドラムと言うとバンド活動ですか?

陶: 元々音楽が好きなのでで、こちらにいる日本人の方々とバンドを始めました。

松: 日々の食事はどうされてますか?

陶: 最近はお友達と外食が多いですが、健康管理の為に自炊もしていますよ(笑)
      外食は日本食、自炊は洋食が多いです。

松: ベトナム食は食べないんですか?

陶: まかない食 でベトナムご飯を7年間もいただいたので、その反動かも (笑)
     やはり日本食が一番いいですね。

松: ベトナムでの将来の夢は?

陶: いろいろやりたい事はあるんですが (笑)
      ベトナムでは良い化粧品にめぐり合う確立がかなり低いんです。
      だから農園を購入してハーブなどを栽培し、それらからオリジナル化粧品
      を作りたいと思っています。

松: 陶山さんにとって、ベトナムと関われた事はご自身にとってプラスに
   なりましたか?

陶: 最高ですね~。
      この国に来てたくさん学ぶ事があったし、外国人と接する事で自分を見つめ
      直せるんです。

 

11 年前のベトナムと言えば今のように近代化も進んでおらず、若き女性が乗り込むのは無謀と言えば無謀だったかもしれない。ベトナムに興味も無く、現地の事を 全く知らないとなれば尚更である。「何年この国で耐えられるのだろう?」と思い悩んだ陶山さんを支えたのは彼女の好奇心と向上心、そしてベトナムを楽しむ 事に徹した姿勢に違いない。「ベトナムに永住したいですか?」という質問に、「はい」ときっぱり答えた陶山さんは、この国にもっと私を育てて欲しいと望ん でいる。そんな陶山さんをお手本に、ベトナムを目指す日本人女性はこれから増えていくことであろう。
 

(interview & write & photo:Matsuzaki)
 

追記:2012年8月現在、陶山さんは長年の営んだエステ店を手放し、IT関連事業とコンサルティング事業および化粧品の輸出入の会社をホーチミン市で設立。主に日本からの投資を目的とし、ベトナムへの進出を考えられている方々のサポートを展開しています。

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